最近Twitter(X)で登山者の間で話題になった日焼け止めの件が気になりました。汗が滝のように流れる登山では日焼け止めが流されてしまうのは困りものです。そこで色々な方のツイートを元に流されない日焼け止めについて調べてみました。今回の記事では汗に流されない日焼け止めについてだけでなく、日焼けの危険性やアフターケアについても解説していますので、最後までご覧ください。
登山者にとって日焼け対策は必須!

登山では高度を増すごとに増える紫外線のリスクがあります。日焼けは単なる美容の問題だけでなく、健康への影響も深刻なものです。何よりヒリヒリして数日苦しむこともあります。以下でその詳細と、どれだけ紫外線量が増加するのかを具体的な数値で見てみましょう。
標高が上がると紫外線の量は増える

標高が上がるごとに紫外線の強度が増すのは事実です。具体的には、標高が1000m上昇するごとに紫外線B (UVB) は約10%増加します。これは、登山をする際、山頂での紫外線の強さは山麓と比べて大幅に増加していることを意味します。例えば、3000mの山に登ると、山麓と比べて紫外線Bの強度は30%増加するのです。
そしてさらに空気が澄んでいると紫外線はさらに増えることもあります。(参考:気象庁「標高と紫外線」)
季節関係なく登山では日焼け対策は必須
多くの人が夏の強い日差しをイメージする紫外線ですが、冬の登山でも紫外線対策は欠かせません。雪は紫外線を90%以上反射する能力があります。そのため、雪山では夏山よりも強い紫外線にさらされることがあるのです。(参考:オルト株式会社)
対策してないと軽度の火傷状態に

日焼けは実は軽度の火傷と同じ状態です。肌が赤く腫れ、痛みやかゆみを感じることも。長時間、強い紫外線にさらされ続けると、2度や3度の火傷と同様の症状が現れることも。このような状態は、登山を続けるのが困難になるだけでなく、長期的な肌のダメージや皮膚がんのリスクも高まります。
海や山などにお出かけする際に使用する日焼け止めにはSPF30以上、PA+++以上が推奨されています。(参考:ながと皮膚科クリニック)
SPFとPAについて
ロート製薬のホームページによると日焼け止め関連の商品に書かれているSPF50とかPA+++などの指標は以下のような意味があるようです。
海や山など紫外線が特に強い場所では、これらの指標を見てより効果の高いものを使う必要があります。
市販されている日焼け対策は汗で流されるものもある
日焼け止め汗で流れる問題の発端となったのはこちらのツイート(最近ではポストと言いますが以下ツイートと書きます)。
筆者が最初にこのツイートをみたとき、「確かに…」と深く共感しました。私は汗を多くかく方なので、1時間も歩くと滝のように流れる汗のせいでせっかく塗った日焼け止めが流れてしまいます。
結局塗り直すのも面倒になり、そのままにして登るので日焼けしてしまいます。それでも何もしないのは怖いので流れるとわかっていても、また持っていってしまいます。
汗で流されない日焼け止めが多く紹介される
ところで最初のツイートに対し、多くの方から汗に流れない日焼け止めについて多く返信されました。
まず最初に紹介されたのはこちらの商品。
「トップアスリートサンプロテクト」という商品のようです。
他にもこちらを推す声が多くあったとのことです。メーカーのサイトを調べてみると、「ウォータープルーフを超える汗(スウェット)プルーフ」という宣伝文句で販売されている、SPF50+、PA++++と高性能な日焼け止めです。
実際Amazonのクチコミでも「マラソン大会で使用している」「塗り直しを心配しなくて良い」「お値段高いけど効果は高い」と概ね好評のようです。
ただし、「絶対に落ちない」だけあって落とす際には専用のクレンジングが必要なようです。使い方や落とし方などはこちらのページを参考にしてください。
次に紹介されたのは資生堂のこちらの商品でした。
資生堂の「アネッサ」という商品で、メーカーのホームページで見てみると「UVブロック膜が汗、水、太陽熱で強くなる!」ということだそうです。細かい技術的な話は私にもよくわからないので避けますが、とにかく汗や水に強い日焼け止めということでAmazonでは月に300件以上売れている人気商品だということは間違いないようです。ちなみに紫外線防止指数はSPA50+、PA++++。
日焼け止めだけでなくスキンケアもでき、石鹸で洗わない限りは落ちないという点に人気が集まっているようです。先ほどの「トップアスリート」とは異なり専用のクレンジングは必要ないのが嬉しいですね。
さらにプロの登山ガイドである野中さんからはこのようなツイートが。
こちらも汗や水に強いウォータプルーフ仕様の日焼け止めのようです。上2点に比べると1,000円しないところがありがたいですね。クチコミでは肌に優しく、デリケートで弱い部分に塗るのに使っているという声がありました。こちらの商品の紫外線防止指数はSPF50+・PA++++と紫外線防止性能にも差がありません。
日焼け止め以外の日焼け対策
さてここまでは日焼け止めを塗る対策を紹介しましたが、日焼けの対策にはそれ以外の対策もあります。
・フェイスカバー
・帽子
・アームカバー
フェイスカバーや帽子は首の周りや耳のあたりが露出してしまうことが懸念点なのですが、中にはそこも対策している商品もあります。フェイスカバーについては過去の記事でご紹介しているのでそちらをご覧ください。

アームカバーは滑り止めがついており、吸汗速乾性能のあるタイプがおすすめです。腕周りも日焼けするとヒリヒリしてとても辛いので、対策すると良いでしょう。
下山後のアフターケアも重要!
日焼けした際のアフターケアは、症状の進行を遅らせ、肌の回復をサポートするために非常に重要です。以下に日焼け後のアフターケアとして実践すべきポイントをいくつか紹介します。
冷やす

日焼け直後の肌は熱を持っていることが多いです。冷たいタオルや冷水を使って肌の温度を下げると、炎症の進行を緩和し、痛みや赤みを和らげることができます。
保湿

日焼けによる乾燥や皮むけを防ぐために、アロエベラやヒアルロン酸を含む保湿クリームやローションを塗ることが推奨されます。これにより、肌のバリア機能をサポートし、肌の修復を促進します。
アフターサンケア製品を使う
日焼け後のアフターケア専用の製品(アフターサンケア製品)を使用することで、特に日焼けによるダメージに対する効果的なケアが期待できます。
水分補給
体の内部からのケアも忘れずに。日焼けは体全体の水分を失わせる可能性があるため、十分な水分補給を心掛けましょう。特にミネラルが不足がちになるので天然水やミネラルウォーターが最適のようです。(参考)
悪化する場合は医師の診断を

日焼けによる赤みや痛みが長引く、あるいは水ぶくれや異常な症状が現れる場合は、皮膚科の医師の診断を受けることが必要です。
日焼けは肌にとって大きなダメージです。アフターケアをしっかりと行い、症状の進行を予防し、健やかな肌を保ちましょう。
まとめ
今回は一つのツイートが発端となって、さまざまな人から反応があった一連の返信などを元に記事としてまとめました。一人の疑問に多くの人がその知識を結集できるというのは本当にすごいですね。
登山では日焼けは季節に関係なく大きな問題です。この記事で汗で流れず、塗り直しが必要ないような日焼け止めを実践して、苦しむ方が減れば幸いです。
私も9月には遠征する予定ですので、今回の記事を元に日焼け止め対策を実践したいと思います!
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