ポータブル電源は欲しいけど、高価で買うのに躊躇してしまいますよね。
しかし、使用方法を限定する分には高価なポータブル電源を買う必要はないです。
この記事では比較的安価に手に入る200Wのポータブル電源でどこまでできるのか検証したり、人気のポータブル電源の性能を比較してみました。
今回CTECHIさんからポータブル電源を提供していただけたので、実際にどれくらい使えるのか検証もしてみました!
まずはポータブル電源の基本知識を確認!
200Wのポータブル電源について比較する前に、まずはポータブル電源でチェックすべきポイントを確認していきます!もう十分知ってるよ、という方は飛ばしてお読みください。
電気容量と定格出力を確認!
ポータブル電源の性能で一番最初にチェックすべきなのは電気容量(Wh)と定格出力(W)だと思います。電気容量(Wh)はどれくらいの電気が使えるかがわかり、定格出力は何Wまで電気製品を使えるかがわかります。
例えば1000Whの電気容量で、定格出力が200Wのポータブル電源であれば、単純に200Wまで使用する電気製品が5時間は使える、ということになります。(実際にはこれよりもう少し少ないです。理由は後述します)
最大瞬間出力もチェック!
ポータブル電源には「最大瞬間出力」という情報もあります。電気製品は起動時などに高めの電気量を必要とすることがあります。
例えば、冷蔵庫やエアコンなどは運転時の2.1倍〜4倍ほどの起動のための電力が必要となります。(参考:https://www.hatudenki.com/power_con.html)
その起動電力が提供できないと、いくら定格出力内に収まっていたとしても使用することができません。このことを知らない方を時々見かけます。「こんなはずはなかった!」「不良品を買ってしまった!」とならないように最大でどのくらい電力が必要なのか、使う予定の電気製品についても調べておくことが必要です。
実際に使えるのは容量の70%くらいなのが普通
先ほども書きましたが、ポータブル電源はその名目の電気容量よりも使用できる電力は3割くらい減るのが普通です。これを使用効率と言います。ですから、1000Whのポータブル電源を買ったとしても使用できる容量は実際には700Wh程度と思っておきましょう。(参考)
ほとんどのポータブル電源で使用されているリチウムイオン蓄電池は充電時と放電時でそれぞれロスが発生することが理由です。この点もポータブル電源を買う際に注意しておかないといけない点です。
200Wポータブル電源の価格帯と性能の比較
というわけで、実際にポータブル電源を色々と比較してみました。価格ドットコムの比較検討機能を利用して、200Wh〜300Whの人気のポータブル電源とCTECHIのポータブル電源を比較します。
ざっとこんな結果になりました。
人気3機種とCTECHIを比較した
※値段は2022年6月8日現在
521 Portable Power Station (PowerHouse 256Wh) A1720511 | Jackery ポータブル電源 240 | DE-AC05-60900BK | Pure Sine Wave AC 200W | |
メーカー | ANKER | Jackery | エレコム | CTECHI |
最安価格 | 24800 | 19800 | 19275 | 17800 |
容量 | 256Wh/80000mAh | 240Wh/67200mAh | 222Wh/60900mAh | 240Wh/75000mAh |
定格出力 | 200W | 200W | 120W | 200W |
最大瞬間出力 | 600W | 400W | 200W | 300W |
電池種類 | リン酸鉄リチウムイオン電池 | リチウムイオン | リチウムイオン | リン酸鉄リチウムイオン蓄電池 |
出力波形 | 正弦波 | 正弦波 | 正弦波 | 正弦波 |
充電時間 | USB-C+ACアダプタ:2.5時間 ソーラーチャージャー:4時間 | コンセント:約6.5時間 シガーソケット:約6.5時間 | 約6.5時間:付属ACアダプタ使用時 | AC+PD 約2.68時間 AC 約6時間 シガーソケット約6時間 |
バッテリー マネージメント システム(BMS) | 過電圧 過充電 過放電 過熱 低温 | 過充電 過放電 電圧 温度 | 過充電 過放電 過電圧 過電流 短絡 | 過電圧 加熱 漏電 充放電制御 |
AC出力 | 2 | 1 | 2 | 2 |
DC出力 | 1 | 3 | ||
USB-A | 2 | 2 | 2 | 2 |
USB-C | 1 | 1 | 1 | |
USB-QC | 1 | |||
シガーソケット | あり | あり | あり | |
重量 | 3.7kg | 3.1kg | 2.8kg | 3.6kg |
ライト | LEDライト | LEDライト |
ANKERとCTECHIのリン酸鉄リチウムイオン蓄電池とは
一番人気のANKERとCTECHIで使用されているリン酸鉄リチウムイオン蓄電池は、通常のリチウムイオン蓄電池よりも使用できる電力が多いことや、寿命が長いことが特徴的です。
使用効率は90%、ANKERは3000回充電しても80%の効率で使用できることを謳っています。使用効率が高いほど実際に使用できる電力も高いわけですから、よりお得ということになります。
Jackeryはデザインとソーラーパネルのセットで人気
次に二番人気のJackeryの240Whも高い人気があります。人気のポイントは細かいバッテリ残量も確認できるLCD画面とオレンジを使用したポップなデザインにあります。
また充電効率の高い専用のソーラーパネルもあり、災害時用に購入する人が多いようです。
充電時間も重要
充電するのにかかる時間はACアダプタだけだと6時間程度のものが多いようです。ANKERとCTECHIのようにアダプタとその他の供給方法を併用して2.5時間くらいにまで減らせるのはありがたいですね。
ポートの数や種類も使い方を決める要素の一つ
電力を供給するためのポートの数や種類によってはポータブル電源の使い方も色々変わってきます。
例えばUSB-CやDCなどのポートがあればそれらが使える製品も使えますし、USB-QCがあれば急速充電も可能になります。さらにシガーソケットで充電することもできれば走行中の充電も可能になるでしょう。
ポートの種類は多いに越したことはありませんが、ポータブル電源を何に使う予定なのかあらかじめ決まっていればそんなに悩まないでしょう。
CTECHIのポータブル電源はコスパはかなりいい
以上の比較検証した結果、CTECHIのポータブル電源がかなりコスパが良いことという印象を持ちました。
私がいいな、と思った点は以下の5点です。
・電気容量は人気製品と引けを取らない大容量
・リン酸鉄リチウムイオン蓄電池だから使用効率○、寿命も10年、繰り返し使える
・ポート数はぶっちぎりで多い。USB-QCで高速充電も可能
・LEDライトも付いているのが地味にありがたい
・以上の利点があるのに、この中で最安
これだけ高性能なんだからもう少し、人気がでても良いはずなんですけどね。
やっぱり知名度は大きいですね。
結局200Wポータブル電源は何をどれくらい使えるのか?
普段使いでは場所を選ばずにパソコン作業できる
普段使う分には電源をどこにでも運べるので、コンセントの場所を考えずに作業することが可能になります。以下のように想定してみました。
・MacBook Proの消費電力は起動時30~40W、普通に使う分には15W程度
・扇風機の消費電力は15~35W程度、仮に20Wとしておく
とすると、200Whであれば「MacBook Pro 15W、扇風機20Wで5時間くらい使える」という計算になります。
場所を選ばず電波さえ通じれば、どこに行っても作業できるということになります。
湖を眺めながら作業に没頭する…ということも可能になるのです!
作業できる時間は減りますが、電気ポットでコーヒーを飲みながら作業ということもできますね。
また非常時では次のような製品が使えます。
・電気ポット(100W程度)
・LEDライト(8W)
・スマホの充電(1回の充電でおよそ12Wh)
こう考えると結構色々なものが使えますよね。高額な大容量のポータブル電源に手がでなくとも、2万円前後でひとまず防災用に買っておく、というのも十分ありだと思います。
以下に参考にした商品をご紹介します。
車載用ポット…シガーソケットを使います。95Wで使用可能です。
LEDライト…クリップ式は場所を選ばないので便利。車中泊にも
停電時には灯りがあるだけでもだいぶ違いますよね。
車中泊なら快適に車中泊することも可能に!
車中泊なら1泊程度を前提に電気毛布や扇風機などでだいぶ快適に過ごすことができます。
以下のように想定してみました。
・12Wで使用できる省電力電気毛布
・4000mAh(14.8Wh)で使用できる扇風機
・45Wで使用できる小型冷蔵庫
・電気ポット(100W程度)
・LEDライト(8W)
夏なら冷蔵庫と扇風機で快適に
夏での使用なら、冷蔵庫と扇風機の使用を想定します。
寝る前に晩酌で冷蔵庫とLEDライト、扇風機を使用します。2時間でおよそ135.6Wh消費するので、残りの64.4Whで扇風機を使えば4時間と少しくらい扇風機を回しながら寝ることができます。
つまり、「2時間冷蔵庫とLEDライトが使えて、4時間扇風機が使える」ということになります。
LEDライトや扇風機を他の電源で補えれば、もっと余裕持って使うことも可能ですね。
扇風機だけなら13時間はぶっ通しで使用することができます。
・4000mAh(14.8Wh)で使用できる扇風機。LEDライトも付いている!
・消費電力DC 45Wの小型冷蔵庫
冬なら電気毛布と電気ポットでぬくぬくと
冬の車中泊では、電気毛布を使いながら2、3回電気ポットで温かいものを飲む想定ですと、
先ほど紹介した電気ポットで沸くのは15分くらいと想定すると、90W×0.25hで22.5Wh1回で消費します。それを3回使ったとすると消費電力は67.5Whということになります。
残りの電力は132.5Whですから、12Wの電気毛布なら11時間使える計算になります。
つまり、「11時間電気毛布を使いながら、電気ポットを3回使える」ということになります。
LEDライトを使っても十分余る容量になりますね。
12Wの電気毛布…毛布自体が暖かいのでこれだけでも結構あったかいです!私も購入して冬の間使用しましたが、真冬の車中でも十分仮眠できました!車中泊するなら本当におすすめです。
キャンプでも車中泊と同様に200Whだけでもだいぶ快適に!
キャンプでもほとんど用途は車中泊同様以下のようになります。
夏なら
・4000mAh(14.8Wh)で使用できる扇風機
・45Wで使用できる小型冷蔵庫
・LEDライト(8W)
冬なら
・12Wで使用できる省電力電気毛布
・電気ポット(100W程度)
・LEDライト(8W)
もし複数人で行くなら、2台購入すればコストも抑えられてだいぶ快適に過ごせるはずです。
大容量ポータブル電源に比べると使える製品は限られてきますが、工夫次第でだいぶ快適になるなあ…という感想を持ちました。
CTECHIポータブル電源で実際に使える時間を検証してみた!
時間がなくてまだ扇風機くらいしか試せていませんが、おいおい検証したら追加していく予定です。
扇風機はどれくらい使えるのか試してきた
我が家にあった古いクリップ型扇風機(LOW 15W,HIGH 20W)が実際どれくらいの時間使えるか検証してみました。
満充電から20Wで使い続けたところ、11時間くらいで活動終了。
計算すると220Wh使ったことになりますので、91%ほどの使用効率だったということになります。これはポータブル電源としてはだいぶ高い使用効率ですね。
音はそれほど気になりませんでした。電源の音より扇風機の音の方が気になってよく眠れなかったほどです。
まとめ
いかがでしたか?200Whのポータブル電源なんて中途半端でそんなに使えない印象を私は正直持っていたのですが、今回色々と調べたり使ってみたりして「あれ?意外と使えるんじゃない?」と思ったのが正直なところです。
大容量のポータブル電源が持てればそれに越したことはないかもしれませんが、2万円前後で購入できる200Whポータブル電源だけでもかなり車中泊の幅は広がるな、と感じました。
個人的には「どこででも仕事ができる」ということにとても興味を惹かれます。
ポータブル電源があればより豊かな生活が実現できそうです。