車中泊する際にサービスエリアやパーキングエリアが利用できないか迷っていませんか?
結論から言うと「仮眠」はOKなんです。ではどこまでが「仮眠」なのか、やってはいけないことなどを解説していきます。
温泉のあるSAも紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください!
「仮眠」ならSAやPAでの車中泊は基本的にOK
SAやPA、道の駅など車で遠出する際に休憩できる場所としてこうした場所が真っ先に思い浮かびます。ではこうした場所では宿泊は可能なのでしょうか?どこからどこまでが休憩でどこからが宿泊なのでしょうか?
筆者も登山のためによく遠出するので調べてみました。
安全のためにそもそも「仮眠」は許されている

国土交通省のHPによるとそもそもPA(パーキングエリア)やSA(サービスエリア)、道の駅は道路を利用している人が休憩をとるための施設。がっちり宿泊するのでなければ「仮眠」程度の車中泊は許容範囲内なのです。居眠り運転を避けるためにもしっかり「仮眠」を取りながら安全に旅をしたいものです。
まず、SAやPAの利用に関して次のような行為は禁止とされています。
一 駐車禁止場所、車路又は所定の区分(小型車、大型車、特殊大型車及び障がい者 等)以外の駐車ますに駐車すること。(なお、混雑時には係員の指示に従ってください。)
二 空ぶかしや不必要にエンジンを作動させること。
三 みだりに火気の使用をすること。また、キャンプ、バーベキューなどを行うこと。
四 許可なく物品の販売、陳列、文書の配布又は掲示等を行うこと。
五 許可なく募金、署名活動、演説又は集会等を行うこと。
六 施設、設備、器物、備品、車両、樹木等を滅失し、毀損し、又は汚損すること。
七 前項に規定の目的に反し長時間にわたる駐車を行うこと。
八 車両を放置したままSA・PAから立ち去ること。
九 所定のゴミ箱以外に物を捨てること。(なお、高速道路外からの持ち込みゴミを捨てるこ
とはご遠慮ください。)
十 前各号に掲げるもののほか、弊社の業務の支障又は他のお客さまの迷惑、危険又は
利用上の妨げとなるような行為をすること。
(引用元 NEXCO西日本「SA・PA利用上の注意」)
人に迷惑をかけないマナーとしては当然といえば当然なルールですね。ただ気になるのは「長時間駐車禁止」というもの。これは一体何時間程度からNGとなるのでしょうか?

ここで、道の駅での「仮眠」については以下のように国土交通省は回答しています。
「道の駅」は、ドライバーなど皆さんが交通事故防止のため24時間無料で利用できる休憩施設であるので、施設で仮眠していただくことはかまいません。
(引用元 道の駅は仮眠可能(国土交通省))
つまりは宿泊はダメだけど、仮眠はいいよってことですね。それって何時間くらいのものなのでしょうか??
6時間程度であれば「仮眠」夕から朝までは「宿泊」

ではどこまでが「仮眠」で、どこからが「宿泊」なのでしょうか。
明確な線引きがされているわけではないですが、「くるまのニュース」というサイトで道の駅の管理人さんに電話取材したところ、以下のような回答だったそうです。
全国20か所の道の駅に電話取材をして車中泊について聞いてみました。
・仮眠:時間帯に関わらず、長くても5~6時間程度。
・宿泊:夕方から夜に駐車場に入り、朝7-8時頃まで駐車場を占有すること。
(引用元 くるまのニュース)

夕方から翌日朝まで占拠していたら確かに迷惑かもしれません。
道の駅もSAやPAと同様に「仮眠」程度の利用であれば基本的にはうるさく言われないようです。
宿泊施設付きのサービスエリアもある

そもそもサービスエリアに宿泊施設が付随していることもあります。車中泊に不安がある場合には宿泊施設を利用すれば安心です。「たびくら」さんの記事に宿泊施設のあるSAやPAが詳細にまとめられているのでこちらを紹介します。
https://tabikura-bike.com/archives/6211
ここまでのことを表にまとめました。「仮眠」ではなく車中泊をばっちり楽しむようであればRVパークやキャンプ場を利用しましょう。
6時間程度の仮眠 | 調理・宿泊 | |
SA・PA・道の駅 | ○ | × |
RVパーク | ○ | ○ |
キャンプ場 | ○ | ○ |
もし外で調理や長時間の滞在がしたいなら専門の場所へ
それでも車中泊でのんびりしたい!できれば食事も作りたいし、家族でゆっくり過ごしたい!という方にはキャンプ場やRVパークで車中泊を楽しみましょう。
有料ですが、トイレや電源も整備されているところもありますし、ゴミなどが捨てられるところもあります。せっかくのんびり過ごしたいのにトラブルにあってしまったら、残念な思い出になってしまいますよね。
RVパークなら電源も確保できる

車中泊専門の宿泊場所といえばRVパークです。元々はキャンピングカーなどが利用することが想定された場所ですが、もちろん一般車でも利用することができます。
多くの場合24時間トイレが利用でき、電源もとることができるので非常に快適に車中泊を楽しむことができます。
事前の予約が必須となりますが、場所取りなどを気にせず宿泊できるのであらかじめよく調べておきましょう。
https://www.kurumatabi.com/club/
車中泊OKなキャンプ場なら安心して宿泊できる

RVパークの他にも車中泊可能な場所は色々あります。CARSTAYというサイトでは車中泊できる場所が一括検索できますのでぜひ利用しましょう。
ただし、掲載されている車中泊場所の中には普通の駐車場を利用している場合もあるので、どんな設備が使えるのか事前に確認することが絶対に必要です。
どうせなら安心して利用できる場所で楽しく車中泊をする
車中泊の目的に応じて、サービスエリアで「仮眠」をとるのか、RVパークなどで「宿泊」するのか決めましょう。
サイキはもっぱら一人の場合は道の駅やサービスエリアで5時間程度「仮眠」をとるのですが、もし他に誰か連れて行くのであれば安心して宿泊できる場所で車中泊したいですね。
サービスエリアを車中泊に利用するメリット
それではサービスエリアを利用するメリットはどんなところにあるのでしょうか。以下にサービスエリアなどで「仮眠」するメリットをまとめました。
深夜割引、休日割引など割引が色々ある

地方部を中心に深夜割引や休日割引など高速道路料金の割引が多くあるのは非常に魅力的です。
深夜割引はETCをつけた車であれば深夜0時〜4時の間に高速道路にいれば料金の30%が割引されます。夜のうちに高速道路に入り、SAなどで車中泊をして朝方出れば深夜割引がききます。
休日割引は休日に高速道路を利用すれば30%割引があります。ただし、深夜割引とは併用されませんので注意してください。
平日朝夕割引は1ヶ月の間に繰り返し利用される場合に適用される割引です。その他にもさまざまな割引がありますが、詳しい内容はこちらの記事でご確認ください。
渋滞する時間帯を避けて通行できる

夜サービスエリアなどで車中泊することのもう一つのメリットは渋滞する時間帯を避けることができると言うことです。
毎年8月のお盆の時期や年末年始には高速道路の渋滞がニュースになりますが、基本的に日中は上りも下りも渋滞になる可能性があります。
そこで車中泊を利用し、渋滞の発生しやすい時間を避けて移動すれば、空いている時間帯に快適に目的地近くまで移動することができます。
疲れは事故の元となりますので、ところどころで「仮眠」を取りながら移動するのが良いでしょう。場所によっては温泉がついているサービスエリアなどもありますから(後述)、疲れを取りながら移動できればなおのこと快適になります。
(参考:zurich)
サービスエリアの車中泊は怖い⁉防犯対策も忘れずに︎
サービスエリアや道の駅での宿泊は怖い、と思っている方も多いでしょう。確かに人気のない道の駅やPAでは心配になるのも無理からぬ話です。実際女性一人で車中泊をする際には防犯に注意する必要があります。
過去には車中泊中に襲われる事件も起きている

過去に女性一人での車中泊をした際に襲われた事件がおきました。こちらがリンク先ですが、読む際には内容にご注意ください。
女性が一人で車中泊をする際には特に十分防犯上の対策をおこなってください。具体的な対策は以下の通りです。
・施錠をしっかり行う
・人が多い場所を選ぶ
・目隠しをする
・防犯ブザーなどを用意する
車上荒らしのリスクもある
車上荒らしの一番多い時間は深夜から朝にかけてが70%超だそうです。つまり車中泊する時間にばっちり重なっておりますので、注意しましょう。特に窓に目隠しをせずに、運転席などにカバンを置いておくなどは標的になりやすく、危険です。
トイレにちょっと行くだけでもETCカードや財布、金目のものは携帯するようにしましょう。
車上荒らしが最も多いのは月極駐車場など自宅から離れた駐車場と言うことですが、サービスエリアなどでも警戒するに越したことはありません。(参考)

温泉付きのサービスエリアを利用しよう!
運転疲れを取りながら車中泊をするのであれば、温泉があればなおのこと疲れが取れて快適です。
私自身が温泉付きなので、車中泊のあるSA・PAを探してみました。
東海北陸道なら城端SA 桜ヶ池温泉

大人630円/小学生320円/幼児無料
6:00~22:00(受付21:30まで)日帰り
北陸道なら徳光PA 松任海浜温泉

【大人】480円 【子供】150円 【幼児】100円
月曜以外・5:00~22:30 月曜日・10:00~22:30
東名なら足柄SA(上り金時湯・下りあしがら湯)
あしがら湯

【平日】大人680円(340円)、【土日祝】大人710円(350円)
10:00~翌8:00
金時湯

【平日】大人680円(340円),【土日祝】大人710円(350円)
12:00~翌日10:00
東海環状なら美濃加茂SA 里山の湯

大人(中学生以上)平日:600円 土日祝:700円
小人(4歳~小学生)全日:300円
10:00~22:00(最終受付 21:30)
名神なら多賀SA(下り) レストイン多賀
【入浴のみ1時間未満】大人550円(250円)※【休憩込み】大人850円(400円)
12:00~翌10:00
https://sapa.c-nexco.co.jp/sapa/shop/detail?sapashopid=911
中央道なら諏訪湖SA(上り・下り)ハイウェイ温泉諏訪湖

大人:600円 小人:275円
10:00~21:30
伊勢湾岸なら刈谷PA(下り)天然温泉かきつばた
大人890円 小人440円
平日 9:00〜23:00 土日祝 7:00〜23:00
http://www.kakitsubata-spa.com
徳島道なら吉野川SA 美濃田の湯
大人600円、子ども(4歳~小学生)300円、3歳以下無料
13~21時(受付は~20時30分)
https://rurubu.jp/andmore/spot/80035818
コインシャワーなら他にもたくさんある
温泉ではなくともコインシャワーであればもっと多くのPA・SAに設置されています。汗を流すだけでも快適に「仮眠」できますのであらかじめ調べておくと良いでしょう。
https://sapa.c-nexco.co.jp/guide/utillity
サービスエリアで車中泊する上でのマナー
SAやPA、道の駅で宿泊(仮眠)する際に注意すべきマナーについても確認しておきましょう。あらかじめマナーを把握しておけば余計なトラブルに巻き込まれる心配もなくなります。
エンジンをかけ続けない
駐車場で「仮眠」をする場合にエンジンを止めるのは基本中の基本。エンジンかけてエアコンをつけたくなる気持ちはよくわかりますが、周りへの迷惑になりますのでやめましょう。
例えば夏の場合ですと標高の高いSAであれば暑さも気になりません。そうでない場合には快適に「仮眠」するための工夫をあらかじめしてから出発しましょう。
騒音を出さない
夏や年末年始は特にどこに行っても同じように車中泊する人がいます。そんな中エンジンをかけたり、夜中まで大きな声で会話したり音楽をかけたりすることは迷惑になります。
車中泊での騒音による事件は特に見つかりませんでしたが、生活音がトラブルに繋がることはよくあることです。お互いに気持ちよく車中泊を楽しみたいものですね。
ゴミは所定の場所に捨てる
時々見かけるのが道の駅などで自動販売機のゴミ箱に一般の家庭ゴミが捨てられている様子です。ゴミ捨て場に困って捨てたのでしょうが、こうしたことが続くと管理者の方も神経質になり、車中泊する客を危険視するようになってしまいます。
旅行のゴミは家に持ち帰りたくないものですが、ゴミを捨てる場所でないところでゴミを捨てるのはやめましょう。
その他の車中泊する場所の探し方(リンク)
車中泊する場所にはRVパークやキャンプ場以外にも、コインパーキングや無料開放されている公園の駐車場などがあげられます。
過去の記事で詳しく取り上げておりますので、気になる方はそちらもお読みください。

車中泊を快適にするために(リンク)
夏の車中泊で困るのはズバリ暑さと湿気です。それを解決して快適に寝るための方法をまとめました。

冬の車中泊は何も対策をしないと車内温度が非常に低下しますので、風邪をひいたり最悪の場合凍死することもあり得ます。冬でも快適に過ごすための方法をまとめました。

照明や扇風機、エアコンに電気毛布…とポータブル電源が一つあるだけでだいぶ車中泊が快適にできます。200Wのポータブル電源で快適に過ごす方法をあれこれ考えてみました。

まとめ
いかがでしたか?サービスエリアで車中泊するために「仮眠」ならOKと言うことがわかっていただけたと思います。最近は少なくなったようですが「車中泊お断り」としている道の駅などもあるそうで「本当にいいのだろうか?」と疑問に思う方もいたと思います。
この記事で根拠と節度を持って堂々と車中泊を楽しんでいただけたら幸いです。


