トレイルランニングシューズと登山靴、どちらを選ぶ?特性・適用場面・おすすめモデルを紹介!

軽いと噂のトレランシューズ。登山靴は確かに重くて、できればトレランシューズで軽々と歩けると登山も楽になりそうですよね。そこでトレランシューズの特性を調べ、登山靴と比較してどんな場面に向いていて、どんな場面には向いていないのか、メリット・デメリットなどをまとめてみました。

この記事では他にもおすすめのトレランシューズや試着サービスなどもご紹介していますので、ぜひ最後までお読みください。

※冒頭の画像は架空の商品です。

目次

トレランシューズとは?

まずは、トレランシューズが何なのかから説明しましょう。トレランシューズとは、その名の通りトレイルランニング、すなわち山や自然の道をランニングするために設計された靴のことを指します。一見すると登山靴に似ていますが、その特徴と目的は異なります。

1番の特徴は「軽さ」

トレランシューズの一番の特徴は、その「軽さ」です。山を走るためには、軽量なシューズが最適です。これにより足への負担を軽減し、長時間のランニングでも疲労を最小限に抑えることができます。また、「フィット感」も重要な特性の一つです。足にしっかりとフィットすることで、足元の安定性を確保し、走行時の安全性を高めることができます。

「グリップ力」も特徴の一つ

そして、最も重要なのが「グリップ力」です。不整地や湿った地面、岩場などでも滑らずに走ることができる強いグリップ力が求められます。このグリップ力を提供するために、トレランシューズのアウトソールには深いラグ(溝)が設けられています。

安全に長く歩くには登山靴

画像は架空の登山靴です

一方、登山靴(トレッキングシューズ)は、安全に長く山道を歩くための靴です。そのため、トレランシューズとは異なり、登山靴では「ホールド力」が重視されます。足をしっかりと支えることで、長時間歩行でも足の疲労や怪我を防ぐことができます。また、登山靴は防水性や防寒性に優れています。これにより、悪天候や雪山など、厳しい環境でも安全に歩くことが可能となります。

それぞれの靴は、その目的に応じて異なる特性を持っています。そのため、自分が何を目的として山を訪れるのか、それによって適切な靴を選ぶことが重要です。軽快に山を走りたい方はトレランシューズ、長時間安全に山を歩きたい方は登山靴が最適となるでしょう。

トレランシューズを登山で使うメリット

ここではトレランシューズのメリットを考えてみたいと思います。メリットとデメリットを把握することで、そのように山で使うことができるのか考えることができます。

強いグリップ力と高いフィット感

トレランシューズの最大の特徴は、フィット感とグリップ力です。足に密着するデザインと、滑りにくいアウトソールが特徴的で、不整地でも安定した歩行を可能にします。

軽量化されている

一般的な登山靴の重さは約500〜600g程度、一方でトレラン用やハイキング用のローカットタイプのシューズは約300g程度と、大幅に軽量化が図られています。これにより、体力の消耗を抑えつつ、より速いスピードで移動することが可能です。

コストパフォーマンス

近年、トレランシューズは性能が向上しながらも価格は抑えられ、多くのモデルが登山靴と比べて安価になっています。しかし、高性能なモデルでは価格が同じくらいになることもありますので、購入時は必要な性能と予算を考慮に入れて選ぶことが重要です。また、靴底は登山靴よりも磨耗しやすいという意見もありますので、登山靴よりもやや費用がかかりやすいと言えるかもしれません。

通気性が良い

トレランシューズはランニングシューズから派生したものであるため、通気性に優れています。これにより、長時間使用しても足が蒸れにくいというメリットがあります。

デザイン性と多用途性

引用:Amazon

最後に、トレランシューズはデザイン性が高く、登山だけでなく街歩きにも使えるというメリットがあります。機能性だけでなく見た目も重視する方には、この多用途性は非常に魅力的と言えるでしょう。

下山後に温泉や観光を楽しみたいという方にとっては、そのまま靴を使うことができるので荷物を減らすことにもつながるでしょう。

以上が、トレランシューズを登山に使うメリットです。しかし、全ての山行に適しているわけではなく、シチュエーションや自身の体力に合わせて適切な靴選びをすることが大切です。

トレランシューズのデメリットも知っておく

次にトレランシューズのデメリットも確認しておきましょう。いいこと尽くしであるようにも思えるトレランシューズですが、抑えておくべきデメリットもあります。

足を守る機能は登山靴の方が上

トレランシューズは、その軽さとフィット感からくる快適性と引き換えに、つま先や踵、足裏を守る機能は登山靴に比べて一歩劣ります。石や根、岩場などに足を打った際の衝撃を十分に吸収できない場合があります。
ただし、最近では強化されているトレランシューズも出てますので、登山靴との差は埋まりつつあります。

ハイカットでないと捻挫しやすい

トレランシューズの多くはローカット設計であるため、足首の保護が十分でない場合があります。これにより、不整地での歩行時に足首を捻るリスクが高まることが懸念されます。
特に運動不足の方や、足に筋力がない方は注意が必要です。

疲れやすい

軽さと反発力に優れたトレランシューズですが、登山靴に比べるとソールの厚みが薄いため、長時間の歩行や重い荷物を背負った場合には足への負担が大きくなる可能性があります。

寒さや水には弱い

ぬかるんだ登山道

トレランシューズは、登山靴に比べて防水性や防寒性に劣る傾向にあります。そのため、雨天時や雪山での使用は推奨されません。また、川渡りや湿地帯など、足元が濡れる可能性のある場所では注意が必要です。

通気性の良いトレランシューズだと早く乾く場合もありますが、その辺りは個人によって持つ印象が異なります。

耐久性は低い

また、トレランシューズは一般的に耐久性が登山靴に比べて低いとされています。頻繁に使用する場合や厳しい環境下で使用する場合は、靴の寿命を考慮する必要があります。

以上がトレランシューズのデメリットの一部です。しかし、これらのデメリットも、自分の登山スタイルや目的、さらには天候や山の状況によって重要度が変わるものばかり。大切なのは、自分にとって最適なバランスを見つけることです。

トレランシューズはどんな登山に向いているのか?

以上のメリット、デメリットを踏まえてどんな登山にトレランシューズが向いているのか考えてみましょう。

初心者向けの軽登山

トレランシューズは、その軽さとフィット感から、特に初心者向けの軽登山に最適です。急な登りや複雑な地形ではなく、比較的緩やかな登山道であれば、軽い靴で快適に歩くことができます。

整備された登山道でのハイキング

また、整備された登山道でのハイキングにもトレランシューズはおすすめです。一般的に整備された登山道は平坦で、道の状態も良いため、軽さとクッション性を活かした歩行が可能です。

登山道がぬかるんでいない

トレランシューズは防水性や防寒性が登山靴に比べて一歩劣るため、雨天後や湿った地面では、水分が侵入しやすくなることを念頭に置いてください。乾燥している日の登山に適しています。

街歩きでも使用できる

そこまで汚れていない状況ならば、下山後の街歩きにもそのまま使用できます。大きく重めの登山靴だと、どうしても履き替える必要が出てきますが、ファッション性があり軽量なトレランシューズであればそのまま使用することができます。
登山靴を使用する場合、履き替える靴も持っていくこともよくありますので、どちらの場面でも使用できるのであれば荷物を節約することにも繋がります。

登山に慣れている人はこの限りではない

一方で、登山経験が豊富で、自身の身体や足元のコントロールに自信がある人なら、これらの制限は必ずしも当てはまりません。歩荷の人や、ランニング競技をするようなアクティブな登山者の中には、トレランシューズを愛用している人もいます。

要するに、トレランシューズが向いているかどうかは、その登山の条件や目的、そして使用者の経験や技術によるところが大きいのです。最終的には、各自が自分のスタイルに合った靴を選ぶことが大切です。

トレランシューズが登山に適さない6つの場面

それでは逆にトレランシューズが登山に適さない場面とはどのような場面でしょうか?

トレランシューズの特性を考えて、適していないと言われている場面をご紹介します。

足場の悪い状況・足が疲れやすい場面

岩場が続くような場所では、踵やつま先を守るホールド力が高い登山靴が適しています。トレランシューズはソールが薄いため、長時間の使用では足への負担が大きくなる可能性があります。

3,000mを超えるような山では森林限界より標高が高い場所では岩場が続くことが多く、そうした場所では疲れやすくなるため、登山靴の方が歩行に適しています。

雪山での使用

トレランシューズは防水性や防寒性が低いため、雪山では不向きです。また、アイゼンとの組み合わせについては、正確な情報が少ないため、対応しているかどうかは個々のモデルによります。

雪山では防水性、防寒性を兼ね備えた雪山対応の登山靴を使用しましょう。

長期縦走やテント泊での使用

長期縦走やテント泊では、重い荷物を背負うことが前提になります。そのため、体重と荷物の重さを支えるためには、足裏の保護と安定性を確保する登山靴が望ましいです。

熟練した登山者の中には極限まで荷物を軽量化させたULというスタイルがあります。これであればトレランシューズを選ぶこともできます。しかしこれを実現するためには、経験に合わせて荷物を適切に取捨選択する必要があり、これから登山を始めようという方にはおすすめできません。

水場での使用

水場や湿地では、水が侵入しやすいトレランシューズは適さないでしょう。特に、不快な状態で長時間歩くことになると、足のトラブルに繋がる可能性があります。

ゴアテックス性のトレランシューズは防水性に優れていますが、その反面入った水が出て行きにくいというデメリットもあります。そのためトレランシューズを選ぶ際には「濡れには弱い」ということを十分に踏まえて使用する必要があります。もっとも、トレランシューズを好んで登山に使用している方の中には濡れる前提であえて使っている方もいるようです。

このようにトレランシューズには適していない場面も存在しています。熟練者の方の中にはどんな場面でもトレランシューズで登山する方もいますが、必ずしも万人に当てはまるわけではありません。特に上記のような山を登る際には登山靴を選択しましょう。

おすすめのトレイルランニングシューズをご紹介!トレランシューズデビューしよう

ここからはおすすめのトレランシューズをご紹介します。この章の最後ではおすすめの試着サービスについてもご紹介したいと思いますので、ぜひ最後までご覧ください。

Altra OLYMPUS 5(オリンパス5)ハイク ロー ゴアテックス

重量:473g(28.5cm)

「Altra OLYMPUS 5(オリンパス5)ハイク ロー ゴアテックス」は、GORE-TEXの防水機能と強力なクッション性能を備えています。耐久性に優れた素材と革新的な設計により、不安定な地形でも高い安定性と安心感を提供します。長時間、長距離のハイキングでも体への負担を軽減し、確かなトラクションと推進力で無理なく前進できることから、山岳ガイドからも高い評価を受けています。

・GORE-TEX性能を備えた防水モデル
・圧倒的なクッション性能で長時間・長距離の体の負担を軽減
・耐久性に優れた天然皮革の使用により、悪路でも安心して歩行可能
・Vibram社のメガグリップを採用し、重たい荷物でも安定、滑らずに止まる安心感
・インナーフレックス構造により不安定な路面でもしなやかに反応し、高い安定性を確保

On Cloudventure Waterproof

重量:325g

「On Cloudventure Waterproof」は、軽量で防水性能に優れたトレイルランニングシューズです。複数のグリップパターンを組み合わせたMissiongripアウトソールと、通気性とストレッチ性を持つ新しい防水メンブレンの使用により、状況が変わりやすいトレイルでも安定した走行が可能になっています。また、高いクッション性とグリップを備え、Speedboardによるねじれの増幅によって、岩場でも流れるような足運びを実現しています。これらの特性により、あらゆる地形での挑戦を可能にします。

・軽くて防水性能に優れている
・高いクッション性とグリップを備える
・複数のグリップパターンを組み合わせたMissiongripアウトソールにより、状況が変わりやすいトレイルでも安定した走りを可能にする
・通気性とストレッチ性を兼ね備えた新しい防水メンブレンの採用
・Speedboardによって岩場でも流れるような足運びが可能

SALOMON SPEEDCROSS 5 GORE-TEX

重量:328g

「SALOMON SPEEDCROSS 5 GORE-TEX」は、新たなGORE-TEX構造とフローティングタンを採用することで、一体感のある外観と完全な耐候性、そして快適な履き心地を提供します。その上、抜群のグリップ力を発揮するラグデザインのContagrip TAソールと、確実なフィット感を提供するQuicklaceシステムを併せ持ち、防水性と通気性に優れたGORE-TEXメンブレンが足をドライに保つことで、過酷なコンディションでも快適な使用感を提供します。

・GORE-TEX 構造を採用し、完全な耐候性と快適な履き心地を備える
・フローティングタンを採用し、一体感のある外観とフィーリングを提供
・絶大な威力を発揮するラグデザインの Contagrip TA ソールにより、抜群のグリップ力を持つ
・Quicklace システムにより、快適で確実なフィット感を提供
・防水性と通気性に優れた GORE-TEX メンブレンが足をドライに保つ

ブルックス 3523

重量:263g

「ブルックス 3523」は、DNA FLASHミッドソール素材の採用により、軽量性とクッション性、そして反発性をバランス良く兼ね備えたトレイルシューズです。頑丈な設計により足を保護しながら、ゴム製のトレイルトラックアウトソールが力強いグリップを提供し、あらゆる地形に対応します。その硬めのソールは特に山道での使用に適しており、0.5cm大きめのサイズが最適とされています。

・DNA FLASHミッドソール素材を採用し、軽量性、クッション性、反発性のバランスを保つ
・ゴム製トレイルトラックアウトソールと広いラグが、力強いグリップを提供
・岩や木の根から足を保護する頑丈な設計
・多様な地形に柔軟に対応し、快適さを維持
・ソールは硬めで、山道に最適な硬さ

XA ROGG Gore-TEX

重量:335g

「XA ROGG Gore-TEX」は、ランニングからハイキング、さらには様々なアドベンチャーに対応する多機能性を持つシューズです。補強されたトゥキャップが不安定な地形での保護性能を発揮し、Quicklace機能により細かな調節と簡易な着脱が可能です。また、長時間の使用でも疲れにくいContagrip MDソールと、内外から足をドライに保つGORE-TEX素材の採用により、様々な環境でも高い性能を発揮します。

・あらゆるアドベンチャーに対応する多用途性
・補強されたトゥキャップによる保護性能
・Quicklace機能による簡易な着脱と細かな調節可能性
・Contagrip MDソールによる長時間の快適性と耐久性
・GORE-TEX素材の採用による防水防風性能と足のドライ状態の維持

Amazonの試着サービスを利用すれば、試着の後で会計できる

ネットでシューズを購入する場合にはやはり足に合うかどうか試着することがとても重要です。足に合わない靴を履くと想像以上に疲れることもあります。

そこでお勧めしたいのがAmazonの試着サービスです。Amazonの試着サービスを利用すればいくつかの靴を試着した上で、自分に合った靴の分だけ料金を払うことができます。

手順は簡単です。まず商品の下にPrime Try Before You Buyと書かれている商品を選択します。

次にPrime Try Before You Buyと書かれている部分のスイッチをONにして決定します。

あとは到着した商品を実際に試着して、購入しないものは返送すれば終了です。購入した分だけの料金を支払いましょう。

このサービスはプライム会員でないと利用できませんが、プライム会員であれば送料・返送料など追加費用が無料で利用できます。詳しくは下記のリンク先で確認してください。

Amazon試着サービスの使い方

まとめ

トレイルランニングシューズの選択には、個々の状況に適したものとそうでないものが存在します。熟練者はさまざまな状況に対応する能力を持っていますが、初心者にとっては適切なシューズ選びは難易度が高いと言えます。

そのため、初心者はまず軽登山やハイキングといった比較的安全な環境でトレイルランニングシューズを試しましょう。

また、それと同時に、さらに困難な状況や長時間の使用を想定した登山靴の購入も検討してください。適切なシューズ選びと、その使い分けが安全に登山をする上で大切なことだと考えます。

今回の記事が皆様の楽しい登山の参考になれば幸いです。最後まで読んでくださりありがとうございました。

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