【浄水器】登山中の水分補給を浄水器で補完したいので比較してみた

※この記事は2023/02/23に加筆、修正しました。

こんにちはkurosaikiです。

登山中の水をどうするか、という問題はとても大事なことであると同時に悩ましい問題ですね。重たいし、かさばるけど持っていかない訳にはいかない。そこで登山中の水補給について整理するとともに、今人気の携帯浄水器を買うつもりで比較検討してみました。

目次

【基本】登山中の水分は2ℓが基本

登山中の水分は2ℓが基本と個人的には心がけています。もちろんどの山を登るか、どんな予定かによって変わってきますが、基本はこの水量で十分です。

少なめに見積もって不足するよりも、多めに持って余る方が遥かに安全です。登山中に消費される水分は以下のように計算されます。

脱水量(ml)=体重(kg)×歩行時間(h)×5 
出典)鹿屋体育大学山本正嘉教授「登山の運動整理とトレーニング」より

例えば、体重5kgの人が6時間の登山をすると1500mlの脱水をする計算になります。最も夏にはこれ以上消費する可能性はありますし、寒い時期であればもっと少ないかもしれません。

2リットルを超える水となるとそれなりに重くなりますし、荷物をできるだけ軽くしたいライトクライマーとすればできる限り少なくしたい気持ちもわかります。それでも水分の確保は登山では重要な要素です。

登山向けの水筒をわかりやすく紹介!熱中症を予防しよう!

水分補給は塩分と糖分もセットで

脱水症状を抑えるためには、水分だけでなく塩分や糖分も一緒に取る必要があります。

スポーツドリンクなどを用意する方法もありますが、それだと飲む以外に使い道がないので、私は普通の水を持ってくようにしています。(飲む以外の使い道…調理に使う、傷口の洗浄に使うなど)

なので、塩分が含まれたお菓子や塩飴などを食べながら給水するようにしています。

山で水を確保するには?

山での水場は貴重

テント泊や日帰りで調理をするために水分が必要になることもあります。水場がある経路ならともかく、いつもそうであるとは限りません。水場の少ない経路もたくさんあります。

ラーメンを作るなら500ml、ご飯を1合炊くなら200mlが必要となります。もし登山中に食事を作るなら携行している水以外にも水分が必要になります。

水場がない場合には?

1.水場のある場所まで移動する
2.大量に水を運ぶ
3.周囲の川などから水を補給する

手段はこれらに限られると思います。ですがどれも基本的には難しいものです。最初からできていれば最初から水に困るものでもありません。

しかし、このうち3の「周囲の川などから水を補給する」は道具次第で現実的に可能になります。

【基本】登山中の水はどうやって確保する?

登山中に確保するよりも登山前に確保することが当然基本なのですが、登山中の水分の補給はどうするのか?ということも合わせて考えて見たいと思います。

登山前の水分確保

正確には登山口に入る前の確保ですね。これは説明するまでもありませんが、以下のように整理しました。

<登山前の水分確保>
1. 家で水筒に給水
2. 登山口までの移動の合間に購入
3. 登山口までの移動の合間に給水

登山口に入るまでだと、いくらでも安全な水を確保する機会はあるのですが、山に入ると途端にそれが難しくなります。

登山中の水分確保

<登山中の水分確保>
1. 山中の給水ポイント(湧水)で給水
2. 山小屋などの管理された場所で給水
3. 沢などで給水

登山中は水道などはありませんので、あらかじめどこで給水できるのか把握しておくことはとても大事なことです。
それでも、水分がなくなりそうな時に都合よく給水できる場所が近くにあるとは限りません。
私自身荷物を軽くしたいがために水を少なめに持っていって、とても焦ったことがあります。水場はないところには本当にないものです。

とはいっても3の「沢などで給水」は最後の手段です。後述しますが、大きなリスクがあります。

山でも沢の水をそのまま飲むのは高リスク

山中の沢の水はとても澄んでいるので、そのまま口に含んでも健康上問題がありそうには感じないですよね。もちろん市街地に流れる川の水よりはきれいでしょう。でも、肉眼ではわからない細菌も含まれています。

動物の死骸や糞尿など

沢の水の1番の危険は大腸菌などの細菌類が含まれていることです。沢のどこで動物に触れ、どんな糞尿に晒されているかわかりません。

死骸や糞尿には細菌類が含まれていることを前提として考えると、そのまま口に含むのは危険です。

サイキ

動物由来の病気は200種類以上あるらしいです!

北海道では特に飲んではいけない

北海道では特に生水を飲んではいけないとされています。その理由はエキノコックスという細菌です。

エキノコックスはキツネの糞尿を媒介として繁殖する寄生虫です。その卵を口にすると時には数年後に孵化して体に侵食します。痛みもないですが、場合によっては死に至ることもある危険な寄生虫です。

こちらのAkimama様のブログでは、その辺りのことが書かれていますので、参考にしてください。

Akimama
「北海道のアウトドアで生水を飲むことはどのくらいのリスクなのか?」をエキノコックスの面から考えてみた  夏山シーズンを迎えて、野山に出かける機会が多くなる。大自然のなか、岩の間から湧き出る冷たい水で喉を潤す。そんなアウトドアの醍醐味と言われそうな喜びも、北海道で...

エキノコックスは最近本州でも発見されている

さらに恐ろしいことに最近では、愛知県、青森県、埼玉県など本州でも動物からエキノコックスが発見されているようです。やはり多くの野生生物が生息する山中では、生水、特に沢の水は危険があります。

人間の糞尿が混じっていることも

山中ではトイレもない場所が多いですから、山中でどなたかが催した糞尿が沢に混じることも当然あります。そこから細菌に感染することも当然考えなければいけません。

山小屋等にあるトイレであっても、その処理方法に統一された基準があるわけではなく、場所によっては埋めたり、近くの沢に垂れ流すところもあると言われています。

サイキ

人の糞尿を経由してかかる病気ももちろんあります!

もちろんバイオトイレなどを設置して、山中に混ざらないよう対策をしている山小屋もありますが、それなりの費用がかかるため、全ての山にあるわけではありません。

携帯浄水器4つを比較検討してみました

もし登山中に水が不足して、どうしても沢の水が必要になった場合は、煮沸することで滅菌することができます。しかし必要になる水分を全て煮沸するには燃料も必要ですし、水になるまで待たないといけないこともあります。

より早く衛生的に水を確保するには携帯の浄水器を持っていくことが必須となります。

最近では携帯のものであっても高い濾過能力を持った浄水器が発売されており、防災の際に活用できることを含めて考えても、これからは一家に一台は必要になるのではないでしょうか。

サイキ

浄水器もだいぶコンパクトになって運びやすくなってます!

そこでネット通販で人気のある携帯浄水器4つを3つの視点(フィルター交換、安全基準、生産国)で比較して見ました。ちなみに評価と口コミ件数はその時たまたま参考にした販売元のものですので、商品全体の評価ではないことをご了承ください。

SAKUTTO 携帯浄水器

楽天より引用

「SAKUTTO 携帯浄水器」は2023/02/23現在、Amazonでベストセラー入り、楽天、Yahoo!でランキング1位を獲得した超人気商品です。日本製で、使い方もシンプル、フィルター交換せずに洗浄可能と安心して簡単に浄水ができる上に簡単にお手入れできる一品です。

「TBS冒険少年・脱出島」で紹介され、人気爆発中の「SAKUTTO 携帯浄水器」。携帯浄水器であればこれを一番にお勧めします。

これ1本あれば水場がなくても大腸菌、コレラ菌などの細菌や原虫嚢子を除去してくれるので安心して沢の水も飲料水として使用することが可能です。僕も今度これを使って普段はできないような登山にも挑戦してみたいですね!

商品名SAKUTTO 携帯浄水器
楽天評価・価格4.35 770件 4,480円
Amazon評価・価格4.2 625件 4,480円
Yahoo!評価・価格4.30 787件 4,480円
直径・高さ・重量35mm/140mm/50g
異物除去能力微生物バクテリア病原体
フィルター交換フィルター交換不要・交換せずに5000L浄水可能
衛生規準食品衛生法適合品
生産元日本製
避けるもの水に溶けているカルシウムやマグネシウム、重金属といった溶解固形分やウイルス

sawyer mini ソーヤーミニ

商品画像8
サイキ

僕もこれを買いました!

ソーヤーミニは登山用品としては割とメジャーな商品で、人気が一番あります。アメリカ製で概ねAmazon、楽天、Yahoo!で価格帯は3,000円〜4,000円くらい。1番の売りはフィルターの交換が不要で38万ℓの浄水ができるということ。フィルターの洗浄も水の逆噴射で簡単にできます。

商品名sawyer mini
楽天評価・価格4.33 18件 3,960円
Amazon評価・価格4.4 263件 2,980円並行輸入品
Yahoo!評価・価格4.24 38件 3,940円
直径・高さ・重量33mm/140mm/55g
異物除去能力微生物バクテリア病原体
フィルター交換フィルター交換不要・38万L可能
衛生規準食品衛生法適合品
生産元アメリカ製
避けるもの水に溶けているカルシウムやマグネシウム、重金属といった溶解固形分やウイルス
評価や口コミ数、値段は10月12日に調べた時のもの

mizu-Q PLUS

mizu-Q PLUSは値段帯は3,500円〜5,000円と割と高額ですが、日本製。カートリッジ式で交換できるため何度でも使える点と浄水機能は安心して使えるところが一番のメリットでしょうか。

商品名 mizu-Q PLUS
楽天評価・価格4.42 36件 4,580円
Amazon評価・価格4.0 39件 3,795円
Yahoo!評価・価格4.42 12件 4,580円
直径・高さ・重量40.5mm/134mm/65g
異物除去能力繊維状活性炭で病原菌、臭いなどを除去
フィルター交換フィルター交換あり350Lごと
衛生規準水道法水質基準に適合
生産元日本製
避けるもの海水、硬水の淡水化、農薬・毒劇物・有機溶剤・有害重金属が含まれた水、ウィルス
評価や口コミ数、値段は10月12日に調べた時のもの

OHKEY 浄水器

OHKEY 浄水器はどこの製造か調べてもちょっとわからなかったのですが、「日本語説明書」とか「日本人によるアフターサポート」とかの文言をみると日本ではなさそう。一番のメリットは価格帯が2,000円〜3,000円とここでは一番安価に入手できるということでしょうか。

きちんと基準は満たしていて、口コミでも十分使用できたという声も多かったので、使う分には問題なさそうです。

商品名OHKEY 浄水器
楽天評価・価格4.41 85件 2,780円
Amazon評価・価格4.0 527件 2,580円
Yahoo!評価・価格4.35 385件 2,950円
直径・高さ・重量32mm/140mm/?
異物除去能力大腸菌、コレラ菌などの細菌
フィルター交換カートリッジ交換あり
衛生規準食品衛生法適合品
生産元不明
避けるもの下水、工業用水、海水
評価や口コミ数、値段は10月12日に調べた時のもの

4種を比較してみて

以上4種に共通して言えることはどれも評価が高い、ということですね。

浄水機能もどれも病原菌、細菌OK、水質基準もOKのものばかり。となるとフィルター交換の有無がこの3種の大きな違いでしょうか。

ソーヤーミニはこの中で唯一フィルター交換の必要のない(洗浄は必要)浄水器で、他にそのような浄水器は見つからなかったので、自分だったらソーヤーミニを購入すると思います。フィルターをいちいち買うのも馬鹿にならないですしね。

まとめ

今回は浄水器を通して、登山中の水分確保について色々と調べてみました。

そこで印象に残ったのは、近年は本州でもエキノコックスが発見されているということです。てっきり北海道しかいないものだと考えていましたが、どうやら甘かったようです。

また商品の口コミを見ると、登山用というよりも防災用目的で購入する人が多かったことも印象に残りました。確かにここ10年で大きい地震がたくさんありましたし、近々大きい地震がくるとも言われてますから当然のことなのかもしれません。

今回の記事作成にあたり、自分でも色々と学ぶことができました。

携帯浄水器、これからは一家に一台必要なものになるかもしれません。

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