初心者向けに登山用ザックの選び方を最適容量付きで解説!

登山用のザックを最初に買う時、どんなサイズを選べば良いか悩んでいませんか?
この記事では初心者の方向けに用途に合わせたザックの選び方や使い方お手入れの方法などを紹介しています。

快適な登山のためには用途や体にあった最適なザック選びが不可欠です。

目次

ザックは登山の必需品!

登山の必需品であるザックですが、初心者の方からしたらなぜそこまでこだわるのか意味がわからない方もいるかもしれません。もしかしたら「専用のリュックが必要なの?」と思う方もいるかもしれませんね。

まずは初心者の方に向けて、ザックについて簡単にご紹介します。

色々な名称がある

ザック、リュック、バックパック…と色々な名称で呼ばれることがありますが、意味合いにほとんど違いはありません。が、ベテランの人ほどザックと呼ぶ人が多いような印象があります。

ここでは記事を通してザックと呼称することにいたします。

登山に持っていくものは日帰りでも多い!

<日帰りの登山で持っていくものリスト>

ザック
サブザック
行動食
非常食
水筒・テルモス
Tシャツ・アンダーウェア
グローブ、手袋、軍手
雨具・レインウェア
パンツ
靴下
登山靴・トレッキングシューズ
スパッツ、ゲイター
長袖シャツ
着替え
防寒着
帽子
GPS機器(スマホも含む)
スマホ用バッテリー
封ができるビニール袋
ココヘリタグ(ココヘリとは)
コンパス
ツエルト
ファーストエイド・医療品
ヘッドライト(+予備電池)
テーピングテープ
熊鈴・熊除けスプレー
虫除け・防虫薬品類
防水スタッフバック
ロールペーパー
タオル
健康保険証
地図(地形図・ルート図)
登山計画書(控え)
ホイッスル
サングラス
トレッキングポール
腕時計
◎必ず持っていくもの ○あると良いもの

ご覧の通り、日帰りの登山でも安全のために持っていくべき荷物は多岐にわたります。こうした荷物を極力負担を減らして運ぶためにザックには色々な工夫がされています。

これだけでもかなり多いと感じられるかもしれませんが、食事を自分で作るとなるとより量は増えていきます。

重いものを運ぶから、腰でも支えられるようになっている

ザックに荷物を入れると概ねどれくらいの重さになるのでしょうか?もちろん運ぶものにもよりますが、私個人の体感では日帰りでも2,3kg〜テント泊だと10kg以上はある印象です。

登山は長時間の歩行運動です。これだけの重さを肩だけで持つのは現実的ではありません。背中に密着させて重心が体から離れないように、肩、腰、背中全体を使って運びます。

ザックには背中や腰に密着させるためのベルトがあり、一番楽な状態で荷物を運べるような工夫がされています。そのため自分の体にあったサイズのザックを選ぶことはとても大切です。

ザックの選び方を7つのポイントで解説する

それではここから具体的にどのようにザックを選んでいくのか、チェックするポイントを7つに整理して解説していきます。

容量

ザックを選ぶ際にはまずどのような登山をするか目的を明らかにしてからにしましょう。日帰り用のザックなのか、1泊以上するのか、テント泊をするのか…山行のタイプによって大きく変わります。

まずザックは用途に応じた本体の容量を決めることが大切です。
大まかには以下のように判断しましょう。

・日帰りなら20〜30L
・山小屋泊なら30〜50L
・テント泊なら50L以上
・自炊するなら+10L程度考慮に入れる

小さすぎると物をザックの外部に固定していくことになりますが、岩や枝に引っかかったりして危ないので危険です。大きすぎても内部の荷物が不安定になり、歩きながら重心が移動してしまうので疲れやすくなります。

より良いパッキングを行うことで、登山での荷物を運ぶ負担を最低限にすることができ、疲れにくく歩きやすくすることができます。荷物が偏ることなくザックが綺麗に見える状態を目指すことが大切です。

機能

ザックには多くの便利な機能がついています。ここでは簡単にそれらの機能についてご紹介します。

ベルト…ザックを体にしっかり固定したり、荷物を引き締めて崩れにくくしたりと様々な機能を持っています。使う際にはベルトの機能をしっかり把握しましょう。ベルトが緩いと疲れやすくなったりもします。

雨蓋…ザックの上部に付いているカバーを兼ねた収納部分です。ある程度のものが入る場合が多く、歩行中に頻繁に使うものを入れておきます。例えば、地図やスマホのバッテリー、行動食などです。いちいち本体を広げなくてすむので、ちょくちょく使いたい小物を入れましょう。ただし、入れすぎると開けた時にザックが倒れやすくなるので、適量にしておくこと。

チャック…ザックの下部に物を入れると取り出すのが非常に面倒です。下部にチャックがついていると簡単にアクセスすることができます。ザックの下部にはなるべく軽くて柔らかいものを入れましょう。例えば雨具や防寒着など。

各種ポケット…よく使う小物類をしまうのに便利です。スマホや地図などよく使う物を入れます。たくさんポケットがついているザックもありますが、ここに荷物を入れすぎるとザックの荷物が偏ったり、チャックが閉めにくくなることがありますので、荷物は入れすぎないように。

レインカバー…急に雨が降ることが多いので、付属しているととても助かります。ない場合は合わせて購入し、必ず持って行きましょう。山では急に雨が降ることが当然のように多くあります。ザックカバーが無かったり、防水機能が無くなったりしているとザック内の荷物は悲惨なことになります。体を冷やすことにもつながりますので、ザックカバーはマストアイテムです。

ハイドレーションシステム…ホースだけ外に出していつでも水分が補給できるようにするシステムです。中に収納しているハイドレーション(袋状のソフトボトル)にホースをつないで、ザックの背面から通し、歩行中でも水分補給することができます。あればいいねくらいの機能です。あれば非常に便利ですがないとダメというほどのものではありません。

収納のしやすさ

収納のしやすさもザックを選ぶ上では考慮します。
具体的にはチャックがどこについているか、雨蓋の収納力はどれくらいかをみます。

チャックが下部にもついていれば、いちいちその上の荷物を出さなくても下部の荷物にアクセスしやすく便利です。
またザックの中には、下部と上部を仕切っているものもありますが、バランスよく荷物を入れるにはコツが必要です。

私はザックを見るときには、ザックの下部か側面にチャックがついているか、ザックカバーはついているか、雨蓋はどうかというのは必ずチェックするようにしています。

パッド

肩(ショルダー)や腰(ウェスト)など体に最も密着する部分にはパッドがついているのが基本です。一番密着するのでパッドがないと擦れて痛くなります。

背面長

背中の長さとザックの高さを一致させることで適切に背負うことがとても大切です。背面長とザックの背負う部分を位置させることで適切に背負うことができます。

同じ身長でも背面長が同じとは限らないので、実際に店舗で購入するか、自分で調整できるよう背面長が調整できるものを選びましょう。

腰回り

引用:d fashion

腰回りのベルトが適切に絞められるか、ウエストにフィットするかチェックします。背面長があっていてもウェストのベルトが閉まらないようであれば腰の部分に重みを分散させることができません。

また歩行中にも荷物が不安定になるため非常に疲れやすくなり、あまりよくありません。

ウェスト部分がきちんと自分のサイズに調整できるのか確認しましょう。

メーカー

ザックを販売しているメーカーは多々ありますが、その中でもモンベル、ミレー、カリマー、オスプレー、グレゴリー、ノースフェイス、ドイターあたりが登山者の間では定番で、よく使われています。メーカーも一つの判断基準となります。

用途別ザックのお勧め容量

ザックは高級であると同時に体の負担も変わってくる、登山では最も重要なアイテムです。
ここではそれぞれ目的別に適したザックの容量とともに、人気メーカーからおすすめのザックを紹介します。

日帰りなら20Lで十分

日帰りでの登山であれば、ザックとしては最も小ぶりな20L程度のザックで十分です。人によってはもっと小さくても大丈夫と考えるかもしれませんが、日帰りの装備で遭難すると、備えが少ないため最も対応が難しくなります。

日帰りでもレインウェアや着替え、行動食、水分などを十分持っていくことを考えて、少なくとも20Lサイズのザックで山に入りましょう。

山小屋泊なら30L〜50L

引用:PEAKS

山小屋泊の登山であれば、テント泊ほど装備は増えませんが、着替えやシュラフカバーなども増えることを考えると30L〜50Lは欲しいところです。増える装備はざっと以下の通り。

・着替え
・シュラフカバー(シーツ)
・汗拭きシート
・歯ブラシ等衛生用品
・手鏡やメイク用品
・感染予防グッズ

シュラフカバーや感染予防グッズはここ最近の感染症対策に備えて増えたものです。多くの山小屋ではシュラフカバーかシーツの持参を求められることが多いですので、宿泊する前に確認しておくと良いでしょう。

なお、山小屋泊でも非常食は当然持って行きましょう。

テント泊なら50L以上

引用:北アルプスの山の壁紙・素材

テント泊となるとさらに必要なものが一気に増えて、50L以上の容量が必要となります。増えるものはざっと以下の通りです。

テント
グランドシート
ハンマー
シェラフ
シェラフカバー
テントマット
修理用具
マット(個人用)
スニーカー・サンダル
ランタン
◎必要なもの ○あると良いもの △あると便利なもの

1泊程度であれば50L〜60L程度ですみますが、今後2泊、3泊の縦走も考えているなら70L以上を購入しておくと良いでしょう。

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自炊するなら+10Lで考える

ここまでの適切な容量は自炊なしのサイズですが、もし自炊するようでしたらさらに10Lのサイズは欲しいところです。増えるものはざっと以下の通りです。

カップ
カトラリー・武器
コッヘル
個人用コッヘル
食材
ナイフ
ストーブ(バーナー)
燃料(コンロ)
ライター

ストーブや燃料、コッヘル、食料などで必要な容量は増えていきます。日帰りなら30L〜、山小屋泊なら40L〜、テント泊なら60L〜となります。

ザックを背負うたびにベルトは締めよう

ザックの中身を閉めるベルトも体に固定させるためのベルトも、毎回締め直しましょう。荷物の中身は山に行くたびに変わります。背負うたびに体に調節するようにしましょう。

一見面倒に思えることですが、ベルトがきちんと閉められているかどうかで疲労度も変わります。

パッキングによっても疲労度は変わる!

パッキングとは収納のことですが、登山においてはとても大切な技術の一つです。たくさんある荷物を綺麗に収納できないと全部入らなかったり、バランスが悪いと歩きにくかったりするなど疲労具合にも影響します。

またすぐ使うものは取り出しやすいところに収納したり、重心を考慮するなどコツもあるのでここで詳しく解説していきます。

テントや着替え、シュラフなどは下

歩行中あまり使わないものであったり、軽いものを下部に入れるようにすると背負いやすくなります。テントやシュラフ、着替えなどがこれに当たります。

着替えやシュラフなど絶対に濡れてほしくないものは封のできるビニールケースなどにしまっておくと良いでしょう。またテントも濡れた場合にそのままザックに入れると濡れてしまいますので、大きめのゴミ袋などに入れて持って行きます。100均の旅行用バッグなどは安価のわりに非常に役に立ちますので、着替えの防水に活用しましょう。

下部は極力軽くして、重心はなるべくザックの中心〜上方になるようにパッキングするのが基本です。

食材、クッキングギアなどは中間

重量のあるクッキングギア、食材、燃料などは荷物の中間あたりにパッキングします。ものによって形が様々なため、パッキングが難しい部分でもあります。その場合はタオルなどを間に挟むように緩衝材にすると綺麗に収納できます。

液などが漏れないようにしっかりと防水しておくことが大切です。
私は過去にアイゼンの歯がビール缶に刺さってしまい、下の方にあるシュラフが濡れてしまったことがあります。こうなると被害が甚大ですので、防水処理は本当に大切です。

水、行動食よく使うものは上

水や雨具、ファーストエイドキット、防寒具など比較的よく使うものは上部に入れます。

ここではさほど重量は関係なく、いざ必要な時にすぐ取り出せることが大切です。ヘルメットなども入れることがあります。雨具は使わない場合は軽いため、下方から取り出せるようであれば下方にしまっても構いません。

雨蓋にはさらによく使うものを入れておく

行動食、財布、ヘッドランプ、電池、日焼け止め、虫刺され薬、地図などよく使うものは雨蓋や各種ポケットにしまいます。

取り出すのに便利な箇所ですが、雨蓋に詰め込みすぎるとザックを開いた時にバランスを崩しやすくなりますのでほどほどにしましょう。

お手入れの仕方

ザックの寿命は4〜5年

モンベルによるとザックの寿命は、経年劣化などにより4〜5年だそうです。正しくお手入れをすればそれ以上持つこともあるそうです。

汚れを拭いて、日陰で干す

汚れを放っておくとそこから傷みやすくなります。また汗をかいたままにしておくとそこからカビが発生し、劣化の原因となります。

帰ってきたら汚れた部分は拭くなどしてきれいにしてから、陰干ししましょう。紫外線に当たると劣化しやすくなるため、直接日光にあてて干さないようにしましょう。

洗濯機は使わず、押し洗いする

全体的に汚れがひどく、丸洗いが必要な場合は、洗濯機を使わずに大きなタライや浴槽を使って押し洗いをします。洗剤は中性洗剤を使用しましょう。

ひどい場合はぬるま湯などで洗い、よくすすいだら陰干しします。

より詳しいお手入れ方法はモンベルのサイトで紹介されていますので、こちらもチェックしてください。

https://support.montbell.jp/common/system/information/disp.php?c=7&id=10

適切な容量のザックを選んで山に行こう!

いかがでしたか?今回はザックの適切な容量の選び方についてご紹介しました。ザックが適切な大きさであることで、ザックを背負いやすくなり、それが疲労の軽減にもつながります。

登山を続けていると段々とザックが増えていくのも登山者あるあるなのですが、様々な登山を楽しむうちに増えてしまうのは仕方のないことですよね。

この記事から皆さんの最高の相棒が見つかれば幸いです。

このブログでは他にも登山に関する役に立つ記事をかいておりますので、ぜひ参考にしてください。

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