山で便利なトレッキングポールについて解説!足の負担を軽減しよう!

登山での足腰への負担を軽減してくれるトレッキングポール。必ずしも必要な道具ではありませんが、あると目に見えて楽になるので使用している人も多い道具です。最近ではさまざまなトレッキングポールも出てきていますので、今回はトレッキングポールの使い方から選び方まで解説していこうと思います。

サイキ

使い慣れてくると本当に山登りが楽になります!

目次

トレッキングポールは必要?

トレッキングポールとは登山用に使う杖のことです。ストックとも呼びます。トレッキングポールの主な役割は大きく以下の3つになります。

・歩行の安定
・足腰への負担の軽減
・推進力向上

絶対に必要な道具とまではいかないまでも、あるとないとでは足腰の負担にだいぶ差が出てくるのがトレッキングポール。その目的をしっかり踏まえて、正しくトレッキングポールを活用しましょう!

体を支える視点が増えると歩行が安定する

トレッキングポール1

基本的に人間が歩くときには2本足で歩きますので、2点で体を支えていることになります。これに1本トレッキングポールを加えることで体重+荷物の重量を3点で支えることになり、より安定して姿勢を維持することができます。

これにより足場が悪いところでも安定して歩行することができるので、転倒のリスクを減らすことができます。

サイキ

実際にトレッキングポールを持って体重計に乗ってみたら、10kg以上体重が落ちました!

下山の際に特に効果を発揮する

トレッキングポールは登りでも推進力を加えて登りやすくしてくれますが、下りで特にその効果を発揮してくれます。
登山は登りよりも下りの方が体重+荷物以上の負荷が足にかかります。その着地時の衝撃を和らげ膝や腰へのダメージを軽減してくれます。最近下りがきつい…という方には特におすすめしたいですね。

サイキ

僕も最近下山の時に膝が痛くなります…

トレッキングポールの使い方

トレッキングポールは持ち方や使い方を誤るとかえって疲れてしまうこともあります。ここではトレッキングポールの基本的な使い方と使うべき場面、しまっておくべき場面を解説します。

登りではやや短めに、下りではやや長めに

トレッキングポールは基本的に肘を楽に直角に曲げた状態で、無理のない高さで地面に対し垂直になるように持ちます。グリップは大体胸のあたりにきて、肩より上に行かないように持ちます。
そうすると登りでは体の前はやや高い位置にありますので、トレッキングポールは短めにして持ち、グリップよりも下を持ちます。

逆に下りでは体の前がやや低くなりますので、トレッキングポールは長めにして持ちます。なお下の際には上から押さえるように持つ方法もあります。

いずれの場合も3点支持を基本に全体重をトレッキングポールに預けることは避けましょう。全体重を支える前提で設計されていません。あくまで補助であることを念頭に入れてください。

トレッキングポールを使った歩き方をわかりやすく解説した動画を山と渓谷chさんがアップしていたので、詳しくはこちらをご覧ください。

【山の歩き方 How to】膝痛、筋肉疲労よサラバ! 登山で脚に負担をかけない歩き方をマスターしよう!  トレッキングポール編

ストラップはつけるべき?

トレッキングポールにはグリップ部分にストラップと言われる紐がついています。ストラップには下から手首を通してグリップをにぎります。

ストラップに手を通しておけば、グリップから手を離してもトレッキングポールを落とさないことや、グリップを強く握らなくても操作しやすいというメリットがあります。ただ転倒した際にはストックから手が離れずに思わぬ怪我をしてしまうというデメリットもありますので、時と場合に応じてストラップは使うようにしてください。

こんなときは使わない

平坦な道や登り下りで足腰への負担を軽減してくれるトレッキングポールですが、使うべきでない場面があります。それは両手が塞がるような場所を歩いているときです。

例えば鎖場や岩壁など両手を使って3点支持をするような場面ではトレッキングポールは邪魔になるだけでなく、どこかに引っかかってしまう可能性があります。またナイフリッジのようないざというときは両手を使う必要がある場面でもしまっておくべきです。

サイキ

何かに挟まって突然手が取られることもあります!

使わない時はトレッキングポールは短くして、邪魔にならない場所にしまっておきましょう。

テントの支えとしても使える

トレッキングポールは主に歩行する際に活躍する道具ですが、場合によってはテントを支えるポールの代わりも果たしてくれます。もしトレッキングポールで立てるタイプのテントを持っていればそれによって荷物が減ることにもなるので、荷物の軽減にも貢献してくれることになります。

トレッキングポールで立てられるテントでおすすめなのは『GEERTOP テント 1人用』です。トレッキングポールは別に自分で用意する必要はありますが、1万円ちょっとで重量900gのテントが買えるのはすごいですね。高所での使用は心配ですが、登山口付近の低所での使用であれば十分使用に耐えうる性能を持っています。

基本的にシングルテントなので寒い時期に結露の心配はありますが、それがクリアできれば1年中使うこともできるでしょう。

トレッキングポールの選び方

トレッキングポール2

トレッキングポールは身長に応じて長さを選ぶ必要がありますが、最近は自由に長さを調整できる伸縮型が主流なのでそこまで長さにこだわる必要がありません。もし測る必要がある場合はまっすぐ立って、肘を直角に曲げた状態で楽に持てるかどうかが目安です。(あるいは地面から肘までの長さを測る)

また1本の重さは200g〜300g程度が最近のトレッキングポールでは普通です。あまり重いと腕が疲れてしまうので軽い方がいいのですが、軽すぎると今度は強度に影響が出てきます。

ここでは長さ・重さ以外に選ぶ基準となる機能・付属品や素材の違いについて解説します。

チェックしておきたいトレッキングポールの機能

購入する前によくあるトレッキングポールの機能・性能について確認しておきましょう。

・T字型、I字型
・レバーロック式、スクリューロック式
・アンチショック性能
・三脚、傘などの機能

T字型かI字型か

トレッキングポールは持ち手の部分がT字型のものとI字型のものがありますが、もっぱら登山に向いているのは登りで下からでもにぎり込めるI字型がおすすめです。T字型はあまり起伏の少ない道で安定して歩くのに向いています。

レバーロック式かスクリューロック式か

トレッキングポールの長さを調整するときに固定する方法がレバーロック型とスクリューロック型に分かれます。

スクリューロック式の方がよりスリムで扱いやすいですが、雪山などで凍りついてしまったときに固定が難しくなることがあります。レバーロック式の方が雪山でも固定がしやすいので、雪山などにでも使う場合にはレバーロック式が良いでしょう。

アンチショックは手首の負担が軽減されるが地面に刺さりにくい

アンチショックはトレッキングポール内部にあるスプリングが伸縮することで腕や方への衝撃を和らげてくれる機能です。トレッキングポールを使うと足にきていた分の衝撃の一部を手で受けることになりますが、その衝撃を和らげてくれるので手や腕の疲労が軽減されます。

ただし、雪や土への突き刺さりは弱いので地面にさして使いたい方にとっては必須の機能ではないようです。

サイキ

僕はもっぱらアンチショック派です!

三脚の代わりになる

たくさんあるトレッキングポールの中には三脚の代わりにもなるものもあります。グリップ部分にカメラを取り付けて使用します。一脚のものと三脚のものとがあり、三脚の場合は先端に台座をつけて使用するようです。

手で持ってカメラのブレを防ぐのには十分役に立つと思いますが、得てして重量が高めのものが多いので登山に使うものとしてはやや重く、三脚として使う分には長い状態だと不安定になりやすいので購入するにはどうかなあ、と思います。

傘と兼用になるタイプも存在する

こちらは今回探してみて見つけたものですが、傘と兼用になるトレッキングポールも存在するようです。

トレッキングポールというより市街地で使うことが推奨されるようなもので、「仕込み杖」というそうです。雨が降ったら傘として使用することができ、使わない時は傘部分を外して杖として使用できます。

近くのお年寄りにプレゼントするにはいいですが、かさばるので登山には不向きのように感じました。

サイキ

長さ調節もできないし、ちょっと登山に使うには厳しいかも

素材の違いは大きくアルミとカーボンの2種類

トレッキングポールに使われる素材には大きく分けてアルミ製とカーボン製があります。概ねアルミ製の方がカーボン製よりも価格が安く手に入りやすいですが、強度や軽さはカーボン製の方が高いことが多いです。

しかしアルミ製にも航空アルミニウムやアルミ合金などで強度をましている製品もありますので一概に評価することは難しく、実際にその商品の説明をよく読み、価格と強度を確認してから購入する方が良いでしょう。

トレッキングポールの性能を引き上げる付属品

トレッキングポールには先端につけて使用する付属品が多くあり、歩く時の状況に応じて使い分けるとより歩きやすくなるものがあります。こちらではよくある付属品とその効果について説明します。(付属品を購入する際には規格が合うか確認してから購入しましょう。)

スノーバスケット

スノーバスケットは先端よりやや上部に装着して使います。このバスケットを装着することでトレッキングポールが雪の中に沈むことを防いでくれます。これがあるかないかでだいぶ雪の中の歩行が変わりますので雪山に入る際には必須の付属品となります。

バスケット

こちらは雪ではなく泥や土に沈み込むことを防ぐ付属品です。ぬかるみや柔らかい土のうえを歩く際に装着すると歩きやすくなります。ただそうでなくともバスケットがあれば木の根などに挟まってしまうことを防ぐことができますのでなるべくつけておいた方が良いでしょう。

トレッキングポールは横の力には弱いことが多く、挟まったことに気づかずに持ち上げた拍子に簡単に曲がってしまいます。バスケットをつけておけばそうしたことを防げます。

トレッキングキャップ

ラバーは先端につけて、道を傷つけないようにする道具です。登山道の中には植生を保護するために木道となっている場所があります。木道や木の根などを直接トレッキングポールの先端(石突き)が突いて傷つけてしまうことを防ぎます。その他、地面との接着に緩衝して衝撃を和らげ歩きやすくする意味合いもあります。

ウォーキングキャップ

こちらは林道など安定した道で歩くときに、トレッキングポールが滑りにくくしてくれるキャップです。設置面が大きく滑り止めがついているため地面に接着した際に安定しやすくなります。

多機能トレッキングポールは登山に使えるか

他にも機能の豊富なトレッキングポールがないか調べてみると「Allfine」というブランドの多機能トレッキングポールが見つかりました。「Allfine」はアメリカの企業だそうです。

引用:Amazon

驚くことにこの杖一つで10通りの使い方ができるそうです。機能は以下の通りです。

・トレッキングポール(T字、I字切替可)
・脱出用ハンマー
・マグネシウム点火棒
・火打ち石
・鎌
・モリ
・栓抜き
・包丁
・ノコギリ
・シャベル

多機能もここまでくると全部の機能を使うのは難しく感じますね。さらにすごいのはこれがちゃんと一本の杖になるということ。シャベル以外のそれぞれのパーツがポールの中に内蔵される形で収納されており、そのまま一本の杖として使用することができます。

当然のことながら、たくさんのパーツがぎゅうぎゅうに詰まっているので、このトレッキングポールの重さはなんと1200g。通常推奨されるトレッキングポールの重さは200g〜300g程度ですので、それに比べると随分と重い印象です。軽く筋トレになってしまうのではないでしょうか。

サイキ

腕が疲れそうです…

仕方ないといえば仕方ないのですが、これをトレッキングポールとして山に持っていくのは流石に厳しい印象です。サバイバルキャンプとかするのであれば別かもしれませんけれども。

ただAmazonの評価は意外と高く、コメントにも高評価が並んでいます。こういった多機能なものが好きな方には面白い一品なのかもしれません。

サイキ

ウォーキングありのキャンプだったら大活躍ですね!

持ち運ぶ際にはこの商品には刃物がたくさんついているので、キャンプに使用するなどの正当な理由がないと銃刀法違反になってしまう点も注意が必要です。

おすすめトレッキングポール!

ここからはおすすめのトレッキングポールをご紹介します。値段、性能、強度、機能…なるべく特徴がわかるようにまとめてみました。なおトレッキングポールは1本で販売されることも多いですが、ここで紹介しているものは全て2本組です。

TrailBuddy

こちらのトレッキングポールはAmazonでベストセラーになっています。評価数も47,068(2022/12/23現在)と圧倒的に多く、多くの人が購入している商品です。

軽量アルミ製でレバーロック式、1本重量275g、伸縮可能と3シーズンの登山に十分対応できる性能を持っています。その上低価格でカラーも豊富にありますので人気が高いことにも納得です。

DABADA

Amazonで次に人気なのがDABADAのトレッキングポール。私も長年愛用しています。

こちらはSGマークがついており、その品質に安心感があります。性能も軽量アルミ製で1本の重量220g、スクリューロック式で伸縮可能であり、アンチショック機能もついています。

軽量アルミ製ですので体重をあまりかけすぎるのは禁物ですが、それでも十分足腰の負担を軽減してくれます。お手頃価格でトレッキングポールが欲しい方にはおすすめです。

ブラックダイヤモンド

ブラックダイヤモンドはクライミング向け商品を数多く開発している老舗の登山ブランドです。クライミングという安全性が第一の商品を扱う会社だけあってその商品にはかなりの信頼感があります。

『アルパインカーボンコルク』は4シーズン対応可能なカーボン製のトレッキングポールです。1本の重量250g、レバーロック式である上、グリップ部分にユニバーサルアダプターを取り付ければ1脚としてカメラを取り付けることもできます。かなり高額ですが山スキーなどにも対応できるモデルですので、長く色々な用途に使いたい人にはおすすめです。

シナノ

株式会社シナノはトレッキングポールや杖、ウォーキングポールなどポール専門の日本メーカーです。1919年創業以来スキーポールのトップブランドとして高い評価を得ているブランドなので、トレッキングポールについてもかなり信用が持てます。ちなみに国内一貫生産体制を創業以来守っているそうです。

『ロングトレイル』はアルミ製で初心者の方にも求めやすいコストパフォーマンスの高いトレッキングポールです。1本の重量は240g、レバーロック式で固定の締め付けも簡単に調整することができます。航空機などにも使用されている超軽量アルミを使用しており、丈夫で傷に強いので長期間使い倒すことができます。

レキ

レキはトレッキングポール専門のドイツメーカーです。新素材や新システムの開発に取り組んでおり、ドイツの品質保証マークであるテュフマークを取得しています。レキのトレッキングポールに標準装備されているスピードロックシステムは、径全体を締め付けて固定力があり、グローブをしていても瞬時に解放・固定が行えます。

『クレシダ AS』はアルミ製で1本の重量256g、スピードロック2システムを採用したレバーロック式のレディースモデルです。グリップは優しい印象のコルク調仕様で、径が細く、手の小さな女性でも握りやすいスーパーコンパクトタイプ。アンチショックも採用した高機能なモデルでありながら、全長も収納サイズも短めに設計されています。

まとめ

今回はトレッキングポールについてまとめました。トレッキングポールは絶対に必要なものではないですが、あると疲れも少なく膝が痛くならないことも多いので、できれば持っていた方がいいものです。

足腰の負担が減ればその分安全に登れるわけで、山が好きな人ほどぜひ持っていて欲しいですね。ただ使い始めはなかなか慣れないことも多いので、試しに短い行程の山で使ってみてください。

サイキ

特に下りが楽になるのは嬉しいですね!

他にも登山に関するさまざまな情報について解説していますので、他の記事もぜひお読みください。

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